ラグタイム
「えっ?」
と、中性的な顔のイケメン。

「僕らのこと?」

人差し指で自分を指差したのは、男の子。

「お前、思ったことを言うのはいいことだがTPOを考えろ」

藤本さんが呆れたと言うように毒づいた。

「わわわっ…」

あたしは手で口をおおった。

「えーっと…」

コホンと、藤本さんが咳払いをした。

「この間も言ったと思うが、朝貴の代わりとして彼の双子の弟がこの店で働くことになった。

白石夕貴くんだ」

藤本さんがそう言ってあたしを紹介した。

夕貴くんって…と思ったけど、あたしは今日から双子の妹から弟になることを思い出した。
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