ラグタイム
「えーっと…本日から兄貴の代理で働くことになりました、白石夕貴です。

よろしくお願いします」

あたしは2人に向かって自己紹介をすると、頭を下げた。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

そう言われて顔をあげると、男の子があたしに向かって手を差し出していた。

「僕は青山翼(アオヤマツバサ)、大学4年生です。

君のお兄さんと同じホールスタッフとしてバイトをしています。

何かわからないことがあったら聞いてくださいね」

男の子――青山くんはあたしに向かって微笑んだ。

「よろしくお願いします」

あたしは青山くんの手に自分の手を重ねると、握手をした。

手の大きさは…あたしと同じくらいってところか?

先ほど腕をつかんできた藤本さんの手とは大違いである。
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