ラグタイム
「兄の仕事の関係者ですか?」

あたしは2人に聞いた。

『ラグタイム』とは、兄貴が短大を卒業してから働いている飲食店の名前だ。

あたしの記憶違いでなければ、兄貴はそこでウエイターとして雇われていたはずだ。

「ほお、なかなか賢いじゃねーか」

藤本さんが言った。

…何だろう?

この人の言い方がいちいち上から目線な気がするのは、あたしがこの人に見下ろされているからなのだろうか?

あたしを見下ろしているところを見ると、藤本さんの身長は170か180なのかも知れない。

「実は、あなたのお兄さんがこの前の連休に突然失踪をいたしまして…」

言いにくそうに話を切り出した黒崎さんに
「ええっ!?」

あたしは驚いた。
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