ラグタイム
前言撤回。

今まで通り、若頭と呼ばせてもらおう。

さっきまでの感動を返せ、このアホンダラ。

「朝貴だったら手で握ったおにぎりとみそ汁と浅漬けを出したぞ」

おにぎりを頬張りながら藤本さんが言った。

「おにぎり1つでそんなにも特典がついたのか!?」

マジか、それ!?

驚いて聞き返したあたしに、
「念のために聞くけど、お前の得意料理は何だ?

1つくらい作れる料理があるだろ」

藤本さんが聞いてきた。

「えっ、作れる料理ですか?

カップラーメンとレトルトくらいですかね」

そう言ったあたしに、藤本さんの手から食べかけのおにぎりが落ちた。
< 76 / 340 >

この作品をシェア

pagetop