ラグタイム
仕方ないので藤本さんのコップにお茶を入れると、彼は待っていましたとばかりにそれを一気に飲み干した。

いるならいるって答えろや、もう!

藤本さんはコップをテーブルに置くと、
「何で料理はできないくせに、部屋だけはキレイなんだよ」
と、毒づいた。

「はっ?」

一体何が言いたいんだ?

「初めてきた時も思ったけど、何で部屋はキレイにしてるんだと聞いてるんだ?」

藤本さんが毒づくように聞いてきた。

それ、今聞くことなのか?

そう思いながら、
「兄貴が抜き打ちで遊びにきた時のためですよ」

あたしは毒づくように答えた。

「今はちゃんとキレイにしていますけど、昔はそうじゃなかったんですよ。

脱ぎ捨てた服はそこら辺に置いてありましたし…まあ、簡単に言うなら床が見えないくらいに散らかっていたんですよ」
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