今夜、上司と恋します
どこまでも自分の事しか考えてなくて、最低な私。
カバンからハンカチを取り出すと、私は目元を拭う。
想像してるよりも真っ黒になって吃驚した。
マスカラ剥がれまくってるな。これは。
何度か目元を押さえると、私は歩き出して会社に向かった。
一度、立ち止まってホテルを見上げる。
……広瀬。
どんな言葉だって受け入れるから。
広瀬、お願いだから優しくしないで。
広瀬に優しくされる資格なんてない。
胸を痛めたって、どうしようもない。
私が誰かをここまで傷付けてしまうなんて思わなかった。
それなら。
私は傷付けられる方がいい。