今夜、上司と恋します
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結局、あれから私は眠れなくて目を冷やした後、ゆっくりとお風呂に入った。
早めに行こうと準備をして私はいつもより一時間も早く会社へ向かう。
仕事をしてたら、きっと何も考えなくて済むと思ったから。
会社に到着した私はPCを立ち上げる。
それから、昨日メモした紙を元に企画書を作って行く。
コーヒーを飲みながら、作業に没頭した。
時間を忘れていた私を現実に戻したのは、物音だった。
ガタって音がして、ハッとする。
それから振り向くとそこに立っていたのは永戸さんだった。
私を見ると、あからさまに嫌そうな顔をした。
だけど、すぐに無表情に戻すと口を開く。
「…おはようございます」
「おはようございます。早いですね、永戸さん」
「私はいつもこのぐらいです。坂本さんこそ、どうしたんですか」
「いやー、ちょっと早めに来て仕事しようと思って」
「……そうですよね。企画書とかありますよね」
「あ」
そうか。もしも私があの時、佐久間さんに呼ばれなかったら。
永戸さんがこの仕事を担当していたかもしれないんだ。