今夜、上司と恋します
やっとプロポーズされたんだ。
涼君は美沙都の大学仲間だった。
そこからずっと付き合ってて、社会人になってからは同棲を開始して、更にはプロポーズされるなんて、凄く理想的だ。
涼君は誠実だし、真面目だから浮気の心配もなくって、私も何度も会った事あるけど、とても気さくで優しい人だった。
一緒に遊んで美沙都が大事にされてるのがわかったし、幸せそうで羨ましくなった。
そんな恋愛、私もしたいなって思ったけど、無理みたいだから諦めるのが精神衛生上一番いい。
「結婚式、私泣きそうだなあ」
「ええ。親じゃないんだからやめてよー」
「決まったら教えてよね」
「当たり前でしょ。蛍には友達代表として喋って貰うんだから」
「するする。泣きながら話すわ」
「あはは。泣きながらとか想像出来るし」
美沙都は和風美人って感じだから、ウエディングドレスより白無垢とかのが似合いそう。
おしろいに真っ赤な口紅をつけた姿とか。
絶対、涼君惚れ直すよなあ。
凄く楽しみだな。
想像しながら顔を緩ませる私に、美沙都は難しい顔をしながら口を開く。