今夜、上司と恋します


……。
告白するんだ。永戸さん。



泣いてる暇なんかない。
急がないと。


ふらふらしながら、私は急いで駅前に向かった。


電車に乗った後も、頭に浮かぶのはさっきの永戸さんの言葉。



告白。
そっか。


永戸さん、好きだったんだ。
したら、佐久間さんと永戸さん両想いじゃん。


……私は邪魔者になるんだ。


関係を終わらせないといけないんだ。



折角、佐久間さんが休める様にって電車にしてくれたのに。
眠る事なんて出来そうになかった。


横浜に向かう車内は、空いてたのに。



終わらせるしか選択肢がない。


それなら。
ちゃんと、私が終わらせないといけない。


“飽きました”


そうやって、言わないといけない。


引き留めるなんてしてくれないだろう。
きっと、佐久間さんはわかったって一言告げて、あっさりと終わらせるのだろう。



頭では理解してるのに、どうしたって胸が苦しくて、痛くて仕方なかった。

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