今夜、上司と恋します
「もしもし」
『あ。おはよー!坂本!』
「おはよ、広瀬。そっちは準備どう?」
『ああ、順調。坂本は?今どこ?』
「新横浜ついたとこ」
『そっか。これからオープンだな。列作ってるってネットに載ってたぞ』
「嘘」
『まじ。きっと、大盛況だぞ。今日終わったら、今度お祝いしようぜ』
「うん」
『反省点もたくさんあるだろうけど、ひとまずはさ、無事に終わったって事を祝おう』
「……うん」
『どこに行きたい?』
「どこでもいい」
『なんだよ、それ。そこは遊園地ーとか言うんじゃねえの?』
「そんな年齢でもないし」
『えー。じゃあ、お台場とか行こうか』
「いいね」
『決まり。坂本、頑張れよ!』
「うん、ありがとう。広瀬もね」
『おう!』
通話を終えた私は、心の中で広瀬に感謝した。
また、広瀬から元気を貰った。
鏡に映る自分の顔も、さっきとは違って見える。
一度、パシンっと自分の頬を叩くと気合いを入れた。