今夜、上司と恋します

ぼーっと永戸さんを見つめていると、ばちっと永戸さんと視線がかち合った。
笑顔を見せたけど、永戸さんはすぐにふいって逸らす。



それから、何かを見付けたのか花が咲いた様にぱあって笑顔を見せた。



「佐久間さん!」



永戸さんの視線の先にいたのは、佐久間さんだった。
どうやら、さっきの人と話が終わったらしい。


戻って来たところを永戸さんが見付けたみたいだった。



佐久間さんの元へ走り寄る永戸さんは私の目から見てもキラキラしていた。

何を話しているかはわからないけど、永戸さんに佐久間さんも笑顔を向けている。



チクリチクリと、針で刺された様に胸が痛んだ。
余りにも二人がお似合い過ぎて、苦しい。



あんなに綺麗な格好をしてる永戸さんに引き換え、今の自分の姿。

オシャレっ気のないシンプルなカットソーと、パンツ。
特に手入れも何もしてなくて、手ぐしで整えた髪の毛。
ボロボロのメイク。

惨めで仕方がない。


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