今夜、上司と恋します
「もう、触らないで下さい」
「え?」
佐久間さんは何を言われてるのか、わからないみたいだ。
驚いた顔をしている。
「もう、終わりにして下さい」
「……」
段々と理解し始めたのか、佐久間さんの眉間に皺が刻まれていく。
でも、私は止めずに続ける。
「良き、上司に戻って下さい」
「……」
好きです。
その、色っぽい体とか。
「何もなかった事にして下さい」
「……」
その、優しい手とか。
その、優しい眼差しとか。
「……もう、飽きたんです」
―――――――大好きです。