今夜、上司と恋します
*
……終わって、しまった。
終わらせたのは、自分のくせに。
こんなに苦しくなるなんて思わなかった。
だって、どうしたらよかったの。
永戸さんに告白された佐久間さんは、それを受け入れるに決まってる。
そしたら、佐久間さんは私との関係を終わらせないといけない。
佐久間さんの口から、どうしても聞きたくなかった。
もう、終わりにしようなんて聞きたくなかった。
佐久間さんが、永戸さんを私と同じ様に抱くなんて。
本当は嫌で嫌で仕方ない。
きっと、佐久間さんの事だから優しく抱くに決まってる。
あの、大きな手で頬をするりと撫でるんだ。
嫌だ。嫌だ。
―――――嫌だよ。