今夜、上司と恋します


『で、それを一人でやったと』

「……うん」

『いくつ』

「1000」

『はあ!?』



絶句パート2。
笑って誤魔化そうとしていると、広瀬の怒号が飛んできた。


『馬鹿野郎!』


突然の大声に、私は思わず片目を閉じる。



『何で誰かを呼ばない!ってか、すぐに俺を呼ばないんだよ!』

「…いや、広瀬も催事あったし」

『関係ねえだろが!一人よりも二人でやった方が早く終わったし、そうしたらお前は少しでも寝れただろ!』

「……うん、ごめん」

『昨日だって、朝からずっと動いてたのに一睡もせずに向かったらそりゃ倒れるわ!』

「…はは。返す言葉もありません」

『どれだけ心配したと思ってるんだよ!何の為に俺達がいるんだよ。
何で一人で全て抱え込もうとするんだよ。
一人で全てをこなす事を求めてるのかよ、佐久間さんは」

「……ううん」

『はあ。俺、そろそろ終わるからすぐにお前んとこ行く』

「……え?」



私のとこに来るだと?
いや、今日終わったとしても明日もあるでしょ。確か。


私の場合はオープン当日までが忙しいだけであって、それからは多少混雑するけど私達が行く必要はない。
だけど、広瀬の場合は違う。

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