今夜、上司と恋します



こんな思いするぐらいなら。

もう、恋愛なんてしたくないよ。



ああ。また涙が滲んで来た。
どれだけ泣くんだよ、私は。


元彼に浮気されてた時だって、ここまで泣かなかったのに。

いや、あの時は私自身の気持ちもかなり冷めてたからな。


だけど、今回は違う。
気付いたばかりだったから。


佐久間さんを好きだって。



私の片思いは、幸せなモノなんかじゃなかった。

気付いた時にはもう振られていて、実らないってわかっていた。


なのに、体だけ交えて深いとこは知っている。

これから誰かとそういう事になりそうになったら、私は全力で拒否するだろうな。



好きって感情は理屈じゃどうにもならない。
ダメだっていくら頭でわかっていても、恋に落ちてしまったら止められない。


好きだって思ったら、何気ない仕草の一つ一つが愛しくなって。
逆にその人の言動一つ一つで苦しくなるんだ。



きっと、それっていくつになっても変わらない。



それは30になろうが、40になろうが。
変わらないんだ。


私は起き上がると、ティッシュを数枚とって涙を拭いた。
それから、メイクをしっかり落として顔を洗う。


あまりにもボロボロ過ぎて、笑えなかったけど。
顔を洗った後、シュシュで髪の毛を一つに束ねるとまた布団に潜る。


何も考えない様に、気を紛らわす為にテレビをつけた。


見たい番組なんてなかったけど、シンっとしてるとどうしたって考えてしまうから。

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