今夜、上司と恋します


それから、広瀬が来たのはあの電話から二時間経過してからだった。


ピンポンとインターホンが鳴る。
玄関を開けると、そこには笑顔の広瀬が立っていた。



「よ。お待たせ」

「待ってないよ。寧ろ早かったんじゃない?大丈夫だったの?」

「へーきへーき」



広瀬は靴を脱いで、中へと上がる。
その手にはスーパーの袋がたくさん。


……そんなに何を買い込んだんだ。




「大人しく寝てたか?」

「広瀬に怒られたくないしね」

「そりゃ感心」


そう言うと、広瀬はリビングでなく、台所に向かい勝手に冷蔵庫を開けた。



「ちょ」



別に開けられてまずいものなんて何もないけど。
いきなりって!断るとかないの!?



その行動に驚いたけど、広瀬が冷蔵庫に突っ込んだモノを見て、更に私は驚いた。



そこにあったのは、たくさんのゼリーとか、ヨーグルトとか、栄養ドリンク、スポーツドリンク。

……そんな要らないよ。
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