今夜、上司と恋します
*
雑炊を完食した私達。
お焦げも多少の苦みはあったけど、問題なく食べる事が出来たし。
今度広瀬にレシピ教えて貰おうっと。
広瀬はお茶を飲みながら、壁に寄りかかると徐に口を開いた。
「思ったんだけどさ」
「ん?」
「坂本も告白してみたら?」
「へっ?」
広瀬があまりにもとんちんかんな事言うから、変な声出たよ。
へっ?って何だよ。恥ずかしい。
「だって、言わないと後悔しない?
それにあの佐久間さんが坂本に何の気持ちもなかったとは、俺思えないんだよね」
「……」
「佐久間さんって冷たいとか色々言われてるけど、仕事に対して真面目だろ?
いや、仕事っつうか、全てに関して。
だからこそ、坂本と佐久間さんがそんな関係だっての最初信じられなかったし」
確かに佐久間さんは真面目だ。
公私混同しないタイプ。
私が佐久間さんに取り入ったとか、永戸さんには言われたけど。
違う。
佐久間さんは好き嫌いで判断して、仕事を組んだりなんかしない。
そんな事は決してしない。