今夜、上司と恋します
「……今までで一番いいよ、一応。だから、こんなに会ってるわけだし」
「まじか。体の相性いいって重要だよねえ」
「それは確かに思うけども」
「私のとこはばっちしだからさ」
星マークが語尾についてますけどね。
本当に、佐久間さんってあんま喋らないけども、さり気なく気がつくというか。
それなりに経験してるからか、大人だからかはわからないけど、常に余裕がある様に見えた。
だからこそ、私だけって思えなくて、そう考える度に恋愛脳にストップがかかる。
こうやって、遊んで来たのかなあって。
「ま、また何かあったら教えてよ。課長さんの事」
「夜の話はしませんからね」
「ええ?そこ聞きたいのに」
「嫌ですから」
口を尖らせてもダメです。
あの色気のある姿とか、そんなのを誰かに教える気なんかない。
それに、言葉じゃ伝わらないよ。あの魅力は。
その日、私は夜まで美沙都とガールズトークを楽しんだ。