今夜、上司と恋します

*


「坂本、おはよう」

「あー広瀬。おはよう」

「朝からしかめっ面してんな、オイ」

「いやあ、会議の資料とにらめっこをだね…」



さっきから資料をずっと睨んでる私に呆れているのは、同期入社の広瀬。


たまに毒づくけど、一緒にいて楽でよく二人で飲みに行ったりもする。
広瀬は身長が高くスラっとしてて、邪魔にならない様に少し長めの黒髪を後ろに流していた。


まあまあイケメンの部類に入ると思う。
いや、まあまあね。


新入社員に人気あるのはこいつみたいだけど、それが私には納得いかない。


ずば抜けてカッコいいわけじゃないよ?
広瀬だよ?
って、内心思ってしまうのは私だけだろうか。



笑顔は人懐っこいけど、あいつ、すげえ裏で毒吐くからね?
飲んでるとそれは更に酷いんだからね?
私、可哀想なんだからね?
肉ついたな?あったかそうだな。ガリガリの俺を温めろとか言っちゃう男なんだよ?


と、広瀬について事細かく語ってやりたい程だ。
確かに太ったのは置いておいて。


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