今夜、上司と恋します

今日も永戸さんは綺麗だ。
綺麗で、私から見たら何一つ勝ってないと思う。



私は自分に自信がなかったから。

私なんかを。
そう、思ってしまってたから。


だから、私を好きだなんてあり得ない。
永戸さんを“好きに決まってる”って思ってた。



でも、それは私の勝手な思い込みだ。

何一つ、佐久間さんの口から聞いていない。


怖かったんだ。
それを聞いてしまうのが。



「永戸さんに話があるんです」


私は真っ直ぐに彼女を見つめると、そう言った。
息を呑む永戸さん。


すぐに鋭い視線を送ると、永戸さんは口を開いた。