今夜、上司と恋します
「呼んでくれるか」
そうやって甘く、囁く。
「……英人、さん」
唇が重なって。
少しだけ離れると。
「もう一度」
そう、また甘く囁く。
「……ひ、でと、さん」
「…蛍」
私の、大好きな低くて甘い声。
いつ、私が恋に落ちたのかなんてわからないけど。
こうなるのは必然だったんだって思う。
「前に…、寿の話をしたな」
「はい」
「最初は大した子だとしか思ってなかったが…」
英人さんは、私の背中に腕を回すと優しく髪の毛を梳く。
そして、耳元でぼそっと呟いた。
「気付けばあの時、恋に落ちていたのかもしれないな」
どうしたって、英人さんの声は私を刺激する。
触れるだけのキスはいつの間にか、深いキスへと移り変わっていく。
ゆっくりと私の体に手を這わす、英人さん。