今夜、上司と恋します
おまけ
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チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえる。
朝、か。
カーテンの隙間から漏れる陽射しに眉を顰めながら、私は目を薄らと開けた。
その視界に飛び込んできたのは。
……佐久間さんの、寝顔。
ああ。なんて幸せだろうって思った。
いつもぴしっとセットされてる髪の毛が少しだけ乱れている。
布団から覗かせる鎖骨がやけに色っぽい。
その寝顔を私は微笑みながら見つめる。
「……ふふ」
思わず私から笑みが漏れた。
すると、
「何を笑ってる」
と、眉を顰めた佐久間さんが掠れた声で言った。
「いや、寝顔を見てたらちょっと」
「……」
「そういえば、私佐久間さんの寝顔って全然見た事ないです」
思い返せば、一度だけだ。
必ず佐久間さんは私よりも先に起きている。
「……それは」
まだ眉を顰めたまま、佐久間さんは口籠った。