今夜、上司と恋します
女だらけの職場ってのは怖い。
私がショップスタッフとしてでなく、MDを選んだのにはこういう理由もあるかもしれない。
変に恨まれる事なんてザラだ。
広瀬と仲良くしてるから、それだけで突っかかって来る子がいるのも確か。
そんな子、気にしてないけどさ。
良き同僚ってだけで突っかからないで貰いたいよ。
その上、佐久間さんと実はいい関係でした。
だなんて…。
誰かに刺されそう。
「広瀬に、野々村は見た目だけでなく、会話も豊富だからな。
異性が寄って来るのも頷ける。そう言えば、野々村は今の彼女とは長いと聞いたな」
「え。野々村さんって彼女いるんですか」
「知らなかったのか」
「はい、全く」
そんな雰囲気出してなかったんだけどなあ。
誰にでもフレンドリーだし。
野々村さんの周りには女の子がワイワイ集まって来るし。
性格的に邪険に出来ないんだろうけど。
……モテる男ってのも大変だな。
枝豆を口に含みながら私は少しだけ野々村さんに同情した。
余計なお世話だろうけども。