今夜、上司と恋します


「違います、別にそういうわけじゃなくって」

「じゃあ、どういうわけなんだ?」

「……私、男運良くないんです」

「……男運?」

「はい」



バカげてるって思われそうだけど。
いや、今までもそう言って何度も笑われたけど…歴代彼氏の話をしたら誰もが口を噤んだからなあ。



「それは坂本にも非があるんじゃないのか」

「そうかもしれないですけど」

「坂本は器が大きいというか、心が広いからな。
だから、それに甘えてダメ男に成り下がってしまうんだろう」

「……」



まさにそうだ。
私は彼氏に尽くすタイプで、色々してあげて甘やかしてしまうんだ。



そう思ったから、元彼には尽くし過ぎない様に注意してたのに。
そうしたら、他に女を作られたっていうオチ。


だから、恋愛する事自体諦めたんだけども。



「勿体ない事をしたと、その男も今頃思ってる筈だ。
それじゃあ、今特定の男はいないのか?」

「いるわけないです。でなきゃ、佐久間さんと寝ません」

「そりゃそうか」



驚いた顔をしたけど、佐久間さんはすぐに納得した様だ。


てか、今まで彼氏がいるとか思ってたのか。
さすがに彼氏出来たら断るし。
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