今夜、上司と恋します
結局、

*



ホテルの一室に入った後。



私達はお互いを貪る様に求め合った。



駆け巡る快感と、ほんのちょっとの罪悪感と。


それが交互にせめぎ合う。




この手を。
この体を。



「……蛍」



この、一時を。



手放すのはどうしても惜しい。




何で許してしまったんだろう。
何で求めてしまったんだろう。



もっと欲しくて、佐久間さんが欲しくて。

満たして欲しくて、どうしようもなくて。




無我夢中で私は佐久間さんを欲した。



そして、それに佐久間さんは応えてくれた。

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