今夜、上司と恋します
10時になり、佐久間さんが私を呼びに来る。
私は準備を終えてたから、カバンを持って佐久間さんの後に付いて行った。
一応、今日は直帰ではないらしい。
チェックしたらすぐに戻って来るみたいだ。
外出の旨をホワイトボードに書くと、私と佐久間さんは会社を後にした。
「実は新店舗の担当を坂本にやらせようと思ってる」
「え!?」
車内で突然佐久間さんにそんな事を言われて、私は大きな声が出た。
「今度のノベルティ、値段等をどうするかが今議題に上がっている。坂本はどう考える?」
「えっと…」
確か、トートバッグだったっけ。
「はい、うちのブランドは若い子向けです。一万が妥当だと思います。
他に限定のショップ袋とかどうでしょうか。
数量限定で。そうしたら一万までいかないけど、そのショップ袋が欲しいから商品を買うって子もいると思います」
「成程」
「差別化をはかるなら、値段を上げてでももっとレアリティの高いノベルティを用意してもいいと思います」
「例えば?」