今夜、上司と恋します
「そうですね。時計とか、財布とか、小物でしょうか。
それなら二万ぐらいでも出すと思います。私なら出しますね。
後はジュエリーボックスとかってどうですか」
「ジュエリーボックス?」
「はい。うちのブランドのロゴが入ったアクセサリー等を入れるボックスです。
今までうちって小物や、バッグなどのノベルティのみだったんで、そういった自慢出来る価値があるモノなら遠方からも集客が見込めます。
固定のファンはいますからね」
「ふむ。そのジュエリーボックスは大体いくらぐらいを考えている?」
「そうですね。50個程で4万~5万とかでしょうか」
「いけると思うか」
「クオリティによると思います。しっかりしてるノベルティならそれだけで価値があります」
「デザイン次第か」
「そうなりますね」
車を運転しながら、佐久間さんは考えている様だ。
ズケズケと色々言ってみたけど、どうなんだろう。
「それでいこうか。目玉となるノベルティを考えていたんだが、中々浮かばなくてな。
企画デザインをデザイナーと打ち合わせてくれるか?」
「いいんですか?」
「何がだ」
「こんな簡単に決まっちゃってです」
「簡単にっていうが…、俺はダメだと思ったら首を縦に振らない。
坂本の話はちゃんと納得がいくし、いけると思ったからそう言ったまでだ」
「……はい」
「頑張ってくれるな?」
「はい!頑張ります!」
「それじゃ、企画書をとりあえず帰社したらまとめてくれ」
「はいっ」
企画が通るなんて思わなくて、嬉しい。
ちゃんと企画書を提出するのが普通なのに。
頑張ろう。
何度も打ち合わせして納得いくモノを作ろう。