『好き』の言葉が聞きたくて


布団に顔を押さえ付けて隠すけど、静まり返った部屋に嗚咽が聞こえないわけない。


だから泣いてるのはバレバレなんだろうけど、
二人はなにも言わず、
私が落ち着くのを待ってくれていた。






「落ち着いたか?」


「……うん」


相変わらず布団に顔を埋めているけど、ちゃんと聞いてる。



「ちょっと辛いかもしれないけど、話しても大丈夫?」



何を?なんて聞かない。


「……お願いします」


「じゃ、話すね」


そう言って神無月 翔太は私が気を失った後のことを話してくれた。

< 26 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop