私の翼 ~奪われた居場所~
決行、までの道のり
勇気
「もうさぁ!まじでイライラするんだけど!!!なんなの!?あいつらほんっとむかつく!!!!!」
「あはは、、ついに爆発したね。」
まるで見越したようにそう言った迷は何だか楽しそう。
___10分前___
「っ迷!!!」
「うわっ!ビックリしたぁ!…wingか。急にどうしたの?」
「実は!かくかくしかじかマルマルモグモグで!淳也に蹴られて!」
「はぁ!?蹴られた!?」
「そう!それで…「ちょっと待って!手当!まず手当!!!」
「あ、はい。」
________って具合にドタバタしてた訳です。
今考えるとアドレナリン出まくってたな。
怒りが痛みに勝る女子って大丈夫なのか?
普通『ぃったぁぃ、くるしぃょぉ…しんじゃぅ〜。』
とか言うもんじゃないのか?(勝手な想像)
迷に急かされて腹部に被さっている服を捲ったら思った通りヤヴァイ感じの色になっていて。
なんか、青っていうか…黄色?っていうか。
とにかくヤバかった。今包帯グルグルです。
まぁあまり痛そうにしない私にホッとしたらしい迷はやたらと饒舌(じょうぜつ)になってしまっている。
あー、流石にあれはビビるわ。
まさか全部嘘だったとかw
嘘…だったとか……さ。
「あー!!!」
「え!?なに!?」
「もう帰る!!!!!!」
「えぇ!?」
何かやだ!不良になってやる!このやろー!!!
「ああ"!イライラするわっ!」
どすどすとゴリラの様な大っきな足音を響かせながら扉を開ける私に『あぁ、また明日ねー!』と迷の気弱な声が聞こえてくる。
もう!しるもんか!しるもんか!
淳也のアホ!何もあんな事言わなくたっていいじゃん!
「淳也のあほおおおおおおおお!!!」
むぐっ!
な、何!?口…塞がれて……これ、は…すい…みん……や、く……………______________
うっすらと目が覚めてくる。
ボヤつく視線の先には、トランプしてる何かチャラそうな男たちがわんさか。
あー。どんどんはっきりしてきたなー。
んー。ん?んんん?
「今何時!!!?」
私のこれまた巨大な声にびくっと反応するチャラ男たち。
え、何かすごい嫌な匂いがする…。
ここに居るだけでクラクラしてきそうな匂い。
ああ、これあれだ。俗に言うクスリってやつだ。と本能的に察する。
「おじょうちゃーん、やっと起きたかー。」
座って縛られている私をニヤニヤした男たちが囲み始める。
いや、私馬鹿か!?この状況把握して無かったとはいえ開口一番『今何時!!!?』とか言うか!?
とかどうでもいい事を考えているうちにどんどん危ない状況に追いやられていく。
あー、これまじでやばい。フラグ立ってる。
「うへへ、おじょうちゃん青星の姫なんだってぇ?」
1番真ん中にいるリーダーらしき男は、喜びが抑えきれないといった様子でニタニタしている。
マジキモイんですけど。
そういや私最近肝座ってきたな。冷静すぎて怖いわ。
「おじょうちゃんをエサにして今から青星に電話かけるとどうなるかなぁ?んふふ…。」
そもそも私姫じゃないしさ。
「いや、電話番号持ってるならそれ青星にかけて位置検索して乗り込めよ。」
アホなのかあんたら。ハッキングとかしちゃえよ。そういうの出来るんじゃないの?
私の漫画の見過ぎ?
「あー?うぜぇなあ。
黙って話聞いてればいいんだよ!」
はいはい。すいませんね。
呆れている私を他所に早速電話をかけ始める男。
『…はい。』
この声は翔太かな?
「お前らの姫は預かった。返してほしけりゃ…「何言ってんのおっさん。姫ならいつも安全な所に居るし、今も俺たちの目の届く所にいるから。」……は?」
まあ場所は言わないよね。どうせ倉庫だろうけど。
でも電話に出れるって事は授業終わってるよね。マジで今何時なんだ。
「ああ!もう!だから言ったじゃん!私姫じゃないってば!」
『その声…湖鳥羽か……?』
「そうですけど!?助けに来るとかめんどくさいことしなくていいから黙って寝てろ!じゃあね。」
放心している男の電話をひったくり勝手に切る。