私の好きな人。
第一章


暑い真夏の日。

私は病院にいた。

目がチカチカする。

目に違和感を覚えたのは夏休みの少し前。

鏡で光を反射して、直接目にあたるような感覚がずっと続いていた。

恐怖しかない。

『澤由花さん。2番に入ってください』


看護師さんの声に恐る恐る立ち上がる。

一歩一歩が重かった高校1年生の夏。
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