ウ・テ・ル・ス
法的整備が完全ではないものの、比較的費用が安く代理出産ができるインドでは、多数の先進国の不妊夫婦が代理出産を行っており、現地には代理母が相部屋で暮らしているような、代理出産用の施設まで作られている。インドにおける代理出産の市場規模は2015年に60億ドル(約5400億円)に上ると推計されている中、インド政府は、商業的な代理出産を合法化する法案を2010年に国会に提出した。法案では、外国人については本国政府の「代理出産を認める」「依頼人の実子として入国を認める」という証明書を要求するとしている。もちろんインド国内でも代理出産は『人体搾取』だという批判もあり未だ議論は続いている中、実態としての代理出産は伸び続けている。
インドにおける代理出産に日本人の依頼が伸びている理由は、単にコスト面だけではない。実態的に代理出産を認めるインドでは、発行される出生証明書に父母として記録されるのは、依頼者の名前である。日本人依頼者はこの出生証明書を日本に持ち帰り、戸籍登録をする。日本の国内の役所では、分娩者が誰であるかを確認することが困難である。そして、そこで得た戸籍謄本を持ち帰り現地の大使館にパスポート申請する。在インド大使館、領事館も滞在日数やビザの種類から代理出産が疑われることをある程度把握できるものの、日本で発行された戸籍謄本とともにパスポート申請されれば、これを発行せざるをえない。果たして日本人依頼者はまんまとパスポート取得に成功して、新生児を実子として堂々と帰国できるのだ。
このように脱法ないし違法的手段で、日本の法制度に反する形で代理出産がとりおこなわれるリスクは計り知れない。実際、日本の国内法によって規制されない斡旋業者が、日本人顧客を相手に様々なトラブルを生じさせている事例をあげるにいとまが無い。妊娠中の経費の上乗せ、母体管理の不備、胎児の流産、フィジカル的に問題のある新生児の出産、新生児の受け渡し拒否、法的不備による出国不可。
秋良のプロポーザルコンセプトは、アメリカとインドのデメリットを解消し、両国のメリットを最大限に生かした『日本人の、日本人による、日本人の為の代理出産』であった。コスト、遺伝的適合、医学的技術、法的問題、安心と安全、それらをコンビニエントにクリアする。その斬新性が、秀麗の野心に響いたのだ。
インドにおける代理出産に日本人の依頼が伸びている理由は、単にコスト面だけではない。実態的に代理出産を認めるインドでは、発行される出生証明書に父母として記録されるのは、依頼者の名前である。日本人依頼者はこの出生証明書を日本に持ち帰り、戸籍登録をする。日本の国内の役所では、分娩者が誰であるかを確認することが困難である。そして、そこで得た戸籍謄本を持ち帰り現地の大使館にパスポート申請する。在インド大使館、領事館も滞在日数やビザの種類から代理出産が疑われることをある程度把握できるものの、日本で発行された戸籍謄本とともにパスポート申請されれば、これを発行せざるをえない。果たして日本人依頼者はまんまとパスポート取得に成功して、新生児を実子として堂々と帰国できるのだ。
このように脱法ないし違法的手段で、日本の法制度に反する形で代理出産がとりおこなわれるリスクは計り知れない。実際、日本の国内法によって規制されない斡旋業者が、日本人顧客を相手に様々なトラブルを生じさせている事例をあげるにいとまが無い。妊娠中の経費の上乗せ、母体管理の不備、胎児の流産、フィジカル的に問題のある新生児の出産、新生児の受け渡し拒否、法的不備による出国不可。
秋良のプロポーザルコンセプトは、アメリカとインドのデメリットを解消し、両国のメリットを最大限に生かした『日本人の、日本人による、日本人の為の代理出産』であった。コスト、遺伝的適合、医学的技術、法的問題、安心と安全、それらをコンビニエントにクリアする。その斬新性が、秀麗の野心に響いたのだ。