ウ・テ・ル・ス
 秋良はジュエリーショップの名前の入った小箱を差し出した。真奈美が恐る恐る蓋をあけると、中にプラチナの輝くブレスレットが入っていた。
「ちょっと…、なにもここまでご機嫌取らなくても…。」
「勘違いするな。足を出せ。」
 秋良は真奈美の片足を無理やり引きとると、その足首にそのブレスレットを付けた。よく見るとプレスレットではない。アンクレットだ。しかもその一端に銀の鈴が着いている。
「俺の家では必ずこれを付けてろ。」
「なんで?」
「これでお前の居場所がわかる。」
「いい加減にしてよ。ペットの猫じゃあるまいし…。」
 真奈美と秋良の奇妙な生活が始まった。

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