恋愛上手になるためのルール
「みや、おかえりー」



ディランは満面の笑みで私を迎える。



今日も、いつもと変わらない。



多少の貯金があるディランは、暫く、仕事も探さず、家に居た。



やっぱり、男だし、プライドが挫かれて、結構落ち込んでるんだろう。



私は、ディランが、暇つぶしに料理や洗濯をやっておいてくれるから、助かってるけど。でも家賃は取ってるよ。そこはね、甘やかしちゃだめでしょ。




「ディラン、今日は私のおごりで、中華食べいこうよ」




「ほんとに! 外食したい気分だったんだよね」



目配せしあって、手を繋いだ。


何も言わなくても、絶妙なタイミングで手を繋いで、外に出て、車のドアを開けてくれるディランは、私にとっては、かけがえのない、スーパーマンなのだ。
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