恋愛上手になるためのルール
その夜、夢の中で、ディランに会った。



それは、私たちが知り合ってそう経ってない頃の思い出。



「みーや、プレゼント」




「本当に?今日、記念日でもないのに」



ディランは私に、蝋燭で出来た熱帯魚の置物をくれた。



「あ、記念にサインするね」



そう言って、小さなアーミーナイフで魚の裏に何かを刻んだ。




「読める?」


魚を受け取って、目を凝らして、文字を読んだ。隣でテレビを見ていた、ディランの友達たちも、覗き込んだ。



ANATA HA KAWAII 



「あなたは、可愛い?ふふふ、これ、この間、私が教えた日本語だ」



「うん、だって、みや、かわいいんだもん」







< 128 / 132 >

この作品をシェア

pagetop