恋愛上手になるためのルール
私は友達の手前、ちょっと恥ずかしくなって、赤くなった。



「ねえ、みや、いつかね、みやがおばあちゃんになったときに、もしも、孫でもいたらさ」



ディランは私の髪の毛を撫でた。




「そうしたら、これをあげてね。昔、凄く、素敵な人と付き合ってて、その人に貰った宝物なのよ、って言うんだよ」



いたずらっぽく笑う、ディラン。



ディランの優しげな青い目が、熱帯魚と合っていると思った。



「素敵な人って、どこにいるのかなー?でも、いいよ、そうするよ」



そう言って、私は、そのまま、眠りについた。魚を枕代わりに抱いて。



ディランは夢の中で、いつまでも、いつまでも、私の髪を、優しく撫でてくれた。



知らないうちに、涙がこぼれてたみたい。
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