恋愛上手になるためのルール
それから、テレビの素人歌番組を見ながら、お互い押しメンについて、熱く語り合った。
急に、また変な雰囲気になって、見つめ合う私たち。
「みやに、歌、歌ってもいい?」
「いいよ」
私の手を握って、ディランは、少し、熱にうかされたような、赤い顔をしていた。
「ディランの歌、好きだよ、私」
ディランのギターと、甘ったるい歌声が、心地よくて、私はソファで読書しながら、暖かい気持ちでいた。
「ねえ、みや、この部分の歌詞、どう思う?」
「うーん、いいけど、直したいなら、この部分をこうして、ダブルミ-ニングにしてみたら?」
「ふうーん、いいかも」
ディランは、私の好きな、キラキラした笑顔で、言った。