恋愛上手になるためのルール
ディランが帰ってきた。



鍵が開く音でわかる。



ちょっと嬉しいのは、否定しないよ。あー、せっかく寂しいのに、慣れたのに、どうしてくれるんだか、ディラン。



ソファに座っている私に転げ込むようにして、抱きつくディラン。



「みや、アイタカッター」




ディランの髪を撫でた。



目を瞑るディラン。それから、ゆっくり私を見た。



「ねえ、みや、もう一緒に住まない?」



「え?」




「だって、この一ヶ月、毎日みやの家に来たでしょ、どうせなら、こっちに家賃払いたいよ」



ディランは、笑顔がこぼれた私を見て、目を輝かせた。




< 96 / 132 >

この作品をシェア

pagetop