AM5:00〜8年越しの約束〜


「ねぇ、功ちゃん」


今度は優が俺の名前を呼ぶ。



「何?」


「おめでとう」


「……ん?何が?」


「…夢、叶えたんだね。

あの学校の放送部でしていたことを今は地方でしているなんて…やっぱり功ちゃんはすごいや」


「……覚えてたんだ、俺の夢」


「忘れるわけないじゃん」



『俺さ、大学出たらラジオ番組してみたいんだ。


全国番組なんてそんな大それたものじゃなくていいからさ、

地方番組でいい、今部活でしているみたいに自分では伝えられない気持ちを俺が代わりに相手に言伝(ことづて)してあげる。

そんなラジオ番組したいんだ』



優に何度も言っていた自分の夢。




「でも叶ったって言ったって半分だろ?」


「え?」



膝の上で拳を作り、頭を傾げる優に視線を向ける。



「優…いないじゃん」


そう言うと、優は目を大きくさせ、俺を見た。


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