AM5:00〜8年越しの約束〜
久しぶりに触った優の頬はとても冷たく、その分涙が温かった。
「優の手紙見てすぐに優って分かったよ」
「ウフフ…困った?」
「ん…宛先無くて困った」
「やった…いたずら成功だ」
少し目を赤くして笑う優。
「何がいたずらだ、バカ」
「えへへ」
「何が思い出してだよ」
「……」
「まず忘れてねぇよ。
ずっと優のこと忘れてない」
優の頬から手を離すと、パーカーのポケットに手を収める。
「別れてからもずっと優のこと気にしてた」
「気が合うね……あたしもずっと気にしてたよ」
優も俺の頬から手を離すと自分の膝の上に置いた。
「そっか…」
「約束…果たせたね」
「うん…」
確かに約束は果たせた。
「今…何ヶ月?」
「7ヶ月になったばかり。
すっげー可愛いよ」
「そっか…」
横に置いていた珈琲を触るといつの間にかすっかり冷めていた。