AM5:00〜8年越しの約束〜
確かに大学に入学してすぐに意気投合し、いつも行動を共にした生活を過ごし、
いつしか仕事も一緒にこなす仲になって8年。
俺がミチのことを知っている分、ミチも俺という奴を知っている。
じゃあ、俺の応えも分かるだろうか。
マフラーを鼻元まで上げ、パーカーのポケットに手を突っ込む。
空を見上げると、まだ空は真っ暗で星が一面輝く。
「実はさ、約束の場所に…行こうとは思ってないんだ」
「は…?」
俺が出した決断に意外にもミチは振り返って大きい目を更に大きくさせて驚いた反応を見せた。
イコールミチからしたら予想外の回答が返ってきたということだ。
「俺が行くと思った?」
「そりゃあ相手があそこまでして会いたいと言ってるんだ、アオなら会うと思ったよ」
俺なら……か。
「どうだろう…反対にあそこまでされたから会いたくないのかも」
立ち止まって空を見上げる俺を立ち止まって真っ直ぐ見つめるミチ。
歩いていた足はいつの間にか道端にくっついたかの様に2人とも止まった。
「どういうことだよ」
「彼女…優との別れはとても納得してでの別れ方じゃなかった。
すごい後悔したし、恨んだりもしたし、何しろ…優への気持ちに何年も引きずった」
優の笑顔が何度も頭の中で浮かんでは、心を傷んだあの頃。
あの頃を思い出す度、
「今だからこそ会えるかもしれない。
けど、今だからこそ会わない選択もある気がする。
……それに今更会っても何も変わらない」
優が何であそこまで必死になって俺と会いたいと思っている真意が分からない。