素直になりなさい!


「百歩譲ってなんで振袖なの??

普段着でもいいじゃない!!」


「お見合いをするのに普段着なんて失礼で

しょ!そ・れ・に、お見合いっていった

ら振袖でしょ?着せてみたかったの♪」


なんて理不尽な理由!


「てな訳でみんな桜羽をよろしくねー♪」

メイド達にそう言ってお母さんはニコ

ニコしながら部屋を出ていった。


「えっ!お母さん?!」


誰かお母さんを止めてーー!!


そんな想いもむなしく……
どんどん私に近づいてくるメイド達。


「では、桜羽お嬢様着替えましょう♪」


「いやぁーーーー!」


部屋中に私の叫び声が響き渡った。


――――――――――――――――――――――――――――



それから着替えさせられて今いるのは、
どこかのビルの最上階の有名な料亭。


「桜羽〜似合ってるよ♪可愛いわ!さすが

わたしの娘ね♪」


私の振袖を見てニコニコ笑って喜んで
るお母さん。


それとは裏腹に、

早く脱ぎたい!!家に帰ってゆっくり
ベッドで寝たい!!


と思っているわたし。


「さぁ。一緒に入るわよ!」

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