BLACK@HEART
と次の瞬間、朱鳥の目の前を
バイクが通り過ぎ,大きな音を
発てて,電柱にぶつかった。

道端にいなければ、バイクに
はねられ,今頃生きてはいない
だろうと朱鳥は背中に冷や汗が
流れたのを感じた。

「はぁ…」安心している場合
では無い。朱鳥を道端へ突き
飛ばした少年の姿がない……

バイクに巻き込まれてしまった
のだろうか?それに少年は仲間
では無い……?

自分の勝手な勘違いで少年を
殴って叱り,もしかしたら事故
に巻き込んでしまったのかも
知れない。

最悪だ……
自分の悪い癖だ。見たものだけ
を信じて……あの時も…

「…鈍感だな、アンタ」毒づく
声がした。朱鳥の目の前には
バックを抱えた少年の姿が。

「そこ、血出てるから」少年は
手に巻いていたバンダナを外し
朱鳥に渡した。少年のシャツの
には血が滲んでいた。

そして少年の手の甲には不思議
なタトゥーが刻まれていた。
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