ＢLACK＠ＨEART

警察によって,バイクの２人は
逮捕された｡いつの間にか少年
は行方を消してしまったが,
朱鳥は無事施設に到着した｡

「あ､篠倉朱鳥さんですか？
もしかして…」朱鳥は玄関の前
でエプロン姿の女性に呼び止め
られた｡朱鳥と歳の変わらない
くらいの優しそうな女性｡

「この学園の職員の山口優菜と
言います｡今日からよろしく
お願いしますね！」優菜は笑顔
で朱鳥へ挨拶をした｡

「こちらこそ､篠倉朱鳥って
言います｡分からないことが
多くて､迷惑だと思いますけど,
よろしくお願いします」丁寧に
朱鳥も挨拶を返した｡優菜とは
何だか気が合いそうだ｡

「優ーちょっと……あら？」
竜崎が朱鳥に気づいた｡

「あ,高杉先輩の紹介で下宿
させて頂く､篠倉朱鳥です｡
よろしくお願いします！」朱鳥
は思い切り頭を下げ,その姿に
竜崎は目を細めて笑った｡

「こちらこそ,よろしくねぇ｡
あっ！あのバカ兄弟は？」
竜崎は思い出したように言う｡
朱鳥を迎えに行かせたが,まだ
帰ってきていない｡

「バカ兄弟って……
何やねんなぁ…せっかく頼みを
聞いたのになぁ」朱鳥の後ろ
から声がした｡