BLACK@HEART
海がぼやき,その後ろには更に
機嫌の悪そうな陸と空の姿が。

「無駄足……」空は呟いた。

「あっ、さっきの!」空の姿を
見て,朱鳥は大きな声を上げ、
空は朱鳥を怪訝そうな目で睨み
つけた。

「この3人が学園長代理よ」
竜崎は言った。

「陸です」しっかり者そうな
黒髪の男は言った。多分この男
が長男であろうと朱鳥は直感で
感じた。

「…黒崎海です」茶髪の男は
クールそうだが,様子を見た
限りは人当たりは良さそうだ。

そして、空は何も言わずに歩き
去ろうとしたのだが、陸と海に
腕を掴まれた。

「コイツは空、こう見えても,女
やから」陸がからかい半分に
言った。海は空の頭を撫で,
そんな2人を空は諦めたように
睨んでいた。

「あ…こちらこそ!よろしく
お願いします」朱鳥は再び頭を
下げ,やっと自由になった空は
逃げ出そうとしていた。

「……そのカバン切れるよ」
朱鳥の脇を抜け,空は言った。

その言葉に皆,一瞬頭の上に
ハテナマークを浮かべたが,
何事もなかったように笑った。
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