十人十色な真実と嘘

遊びなれた


そんなタイミングで着信を告げる私のスマホ。

「もしもし」

“葵衣ー彼氏できてないよね!?”

「開口一番失礼ね」

“え、どこが?むしろ全力で誉めてる”

「あーはいはい、で?何の用」

“合コン来よう、明後日の6時から、場所はあとで伝えるから”

「……合コン、ねぇ」

彼氏いてもいいかなと思ったばかりだからかいつもは即断るのに今日ばっかりは素直に頷いた。

“ちょっとした飲み会だと思えばさーね?ね?”

「いいよ、連絡待ってる」

“ほんと!?明日は雪かな、暖かい格好してきてね”

声を弾ませ、返事をさせる隙も与え
ずにマミは電話を切ってしまった。

へぇ、明日は雪なんだ。

6月に雪かー歴史に残る日になるだろうなぁ…記念にマミに明日の飲み代持ってもらわなきゃ

ちょっとだけいいことがありそうな気がして、口元を緩めのんびり帰路についた。


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