十人十色な真実と嘘
そう思い、ごろんと横になったものの先程までの眠気はやって来なくて諦めて起きることにした。
時計を見るとまだ8時
ほんと、いい仕事してくれたわねマミ。
掃除と洗濯をして適当にお昼ご飯を食べる。それでも、時間が余ってしまって
だから約束って嫌いなんだ。
もういっそのことふて寝しようかと横になって目を閉じる。
…………こういうときに限って眠気はやってこない、仕方なく起き上がって、レポートの作成を始める。
つまりはそれくらい暇だった。
ほどよい時間になり、スマホの電源を落として待ち合わせ場所に向かう。
時間ぴったりに着き、スマホの電源を入れて辺りを見回す。
そして、タイミングよくかかってきたマミからの電話。
“葵衣!!ちゃんと着た!?”
「今お店の前」
“中入ってきて”
その指示通り くるいざき、大きくかかれた暖簾をくぐった。
中は個室とカウンターではっきり別れていて、雰囲気も落ち着く暖色で統一されている。
いらっしゃいませ、カウンターの中で微笑んで迎えてくれた男の人がたぶん店主………なのかな。
電話口から言われた通りに通路を進む。
“はーい、到着”
手を掛ける前に内側から開かれた障子。
中を覗けば、私以外の全員来ていたらしく謝りながら足を踏み入れた。
『葵衣はここね』
マミの隣で安心したのは言わないけど。
『じゃあ改めて自己紹介しよ』
マミが気を利かせてくれた隙に店員にジンライムを頼む。