もし、8年ぶりに会った幼なじみが私のことを忘れていたら。
「あ、いた。梨華あああああ!!」
帰りのHRが終わった直後、大声で名前を呼ばれる。
「どうした晴奈」
現れたのは、親友の晴奈。
クラスは違うけど、私と美音と晴奈で一緒に登下校もしているんだ。
「ねえねえ、今日の放課後、彼氏が練習試合あるらしくて!初めての試合だから、見に来て欲しいって言われてるんだけど、梨華も行かない?」
「え、私?私は別にサッカー部に彼氏も知り合いも特にいないし…」
「いーの!私の彼氏、ちゃんと見に来いっ」
そう言って、晴奈は私の手を無理矢理引っ張って、体育館へと向かう。