もし、8年ぶりに会った幼なじみが私のことを忘れていたら。
「大石くん?どしたの?」
そういって大石くんの顔を覗き込むと、
「バカっ、見てんじゃねーよ、何でもねーから。
ほんとまじズルすぎ…これだから鈍感は…」
ん?鈍感?
なんか美音たちにも言われた気が…
「…ってか、もう授業始まっちゃうじゃん!教室戻らなきゃっ!」
そう言って私は、大石くんを置いて空き教室を去った。
その時大石くんが、
「まじ可愛すぎだから。…ごめん」
そう言っていたのにも気づかずに。