もし、8年ぶりに会った幼なじみが私のことを忘れていたら。
「ごめんな、高月。あそこで拓海と上手く話せてたら、あいつも高月の事思い出したのかも知れないのに…」
教室で、大石くんがさっきの通学の時の事を謝ってくれている。
「いいのいいの!別に思い出してもらおうとか、そういう訳じゃないし、」
「…そっか。何かあったら、いつでも言えよな!」
そう言ってから、男子の集団に混ざる大石くん。
優しいな…
「あ…」
その男子の集団に、たっくんもいる。
整った目鼻立ち。
スリムだけど筋肉もついてる体。
サラサラとした黒髪は、光に反射して輝いている。
…かっこいい。
そう、女子の誰もが思ってしまいそうな容姿だ。
その通り、たっくんには女子のファンが多い。