piece〜すべてがそろうまで〜


「そんなに言うなら、本当のこと教えてあげるよ。直哉がね、私をこんな性格にしたんだよ。直哉が私たちに黙っていなくなるから人が信じられなくなったんだよ、どんな理由であろうが。」

私がいった瞬間、直哉の瞳が揺れた。
でも、次にいった言葉は昔のあの優しい直哉じゃなかった。何もかも冷めたような、そんな言葉。

「幻滅したよ。知廣、まえのお前なら人の悪口なんて言わなかったのにな。やっぱりお前が言うように俺がお前の性格を変えちゃったんだな。わるかったな…」


そういって直哉は屋上からでていった。

「ズズー、」
ごめん、直哉。本当はあんな言葉や顔をさせたかったわけじゃないの。でも、こうするしかなかった…
なんて、言い訳だよね。もう、戻れない。私は、どんなに気づついても、気づつけても後ろは振り返らない。もう戻れないところまで来てしまった…


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